一日は夕暮れに始まり、夕暮れに終わる。

昔の夕暮れは一日のクライマックスだった。
ところが、夜が明るくなったために、いつの間にか夕暮れが埋もれてしまった。
失われた日本の夕暮れと再会し、都市の明るい夜の中に逢魔が時を見つけに行こう。

闇や逢魔が時をテーマにした個展を立て続けに開催している写真家・中里和人と、
ナイトハイク、トワイライトハイクを案内する体験作家・中野純の闇コンビが、
カラー写真とモノクロ文章のコラボレーションで、
夕暮れという時間を一冊の本にしました。非常に薄暗いです。

カバー 逢魔が時
中里和人 写真
中野純
ピエ・ブックス刊

B5判ハードカバー96頁
定価(本体2400円+税)
2003年10月10日発行
ISBN4-89444-296-5

装幀 出原速夫



■もくじ■

●一日は夕暮れから始まった●一日の区切りを強く感じる暮らし●逢魔が時とたそがれとトワイライト●夜の闇が昼を支える●失われた二種類の夕暮れ●トワイライトハイクで夕方と再会する●まず西日、そして落日を観る●影のなくなる時間●くっきりとした薄暮夢●現代の月と昔の太陰●新月が一月を始めて一日を始める●月を迎えに行く●日暮れを加速する●カラーとモノクロが交錯する薄明視●星の出に立ち会う●一日の始まりを発見する喜び●夕焼けの速度、闇の速度●夜という場所へ行く●夕暮れには東を向く●暮山に登る●日課としての夕暮れ体験

●夕方に体が熱くなる●夕焼けに興奮するとよく眠れる●青春と夕方はなぜ似合うのか●くり返し暮れ返す●麻が人を恐くした●五月闇に向かう青い夕暮れ●秋の日はナタ落とし●地理的薄明に残る逢魔が時の感触●オオカミのいた時代の夕暮れ●あいまいな時間に立ち会う●風と影が消えて方向を失う●灰色の時間●魔物の動き●たそがれを飛び交うもの●市民薄明と暮れ六つ●夕暮れと夜明けはまるで違う●植物が動物になる時間●逢魔が時に赤ん坊が泣き出す●朝は一日のド真ん中●旅先の逢魔が時●夕煙の匂いと夕立の匂い●ヒグラシ(日暗し)の時間●夕暮れの声●夕暮れはいつも事件だ

●逢魔が家●魔を封じる真っ暗闇●明るすぎる光も魔を誘う●人工薄明●街灯のまわりに逢魔が処●日本の白夜は緑色のたそがれ●緑色に光る夕焼け雲●木下闇、波下闇●どうでもいいが●夕焼けから夜焼けへ●サザエさんと日曜の夕暮れ●夕焼けが下に溜まる●一日は正午からも始まる●夜中の12時になにが起こるのか●昼と夜、鶏と卵●夕空を飛ぶ光●夕焼けの共有、夕虹の力

●夕方の国に暮らす喜び●樹木のようでありたい●もういくつ寝るとお正月●日没する極西に求めるものがある●ご往光を拝む●夕方のために作られた庭園●夕日をインテリアにする●一日に43回日の入りを観る●大晦日の入●最も太陽らしい時間●世界の太陽は黄色い●日の丸は朝日より夕日的●トワイライト・ランド●お気に入りの30分間を描く●夕国の血●日本人は薄明を描く●夕暮れの起動音●夜中に鐘が鳴る●窓を開けて鐘を通す●夕暮れの区切りはますます強まる●一日の句点は一文の落日



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